日本は諸外国と比べて行政手続きの電子化が遅れていて、それが行政や企業の業務非効率の原因になっているそうです。特に社会保険の手続き関係は税務の手続きなどと比べて電子化(電子申請)の割合が低いことが課題とされています。

労働・社会保険の手続きを資格に基づいて行う社会保険労務士がどの程度電子化に対応しているか、という点では開業社労士の電子証明書取得率は全国平均で約48%(平成30年5月時点)とのことです。

取得率が5割に満たない理由としては、手続き業務をあまりされていない社労士は、そもそも取得する必要が無い、ということが考えられます。

では、電子証明書を取得して電子申請できるようにすれば手続き業務が効率化できるのでしょうか。答えはNoだと思います。私はe-Gov電子申請システムを使って電子申請をした経験があります。e-Gov電子申請システムを使った感想は・・・「業務には使えない」です。理由は、

  • 何度使ってもシステム(手順)が複雑で分かりにくい(使いにくい)
  • エラーが多発し、なぜエラーになるのかが分かりにくい
  • エラーになると「返戻」されて、また一から同じことを繰り返す必要がある(時間がかかる)

要はどのように届け出るか、電子申請するか窓口に持っていくか郵送するか、の違いです。e-Govで申請しようとして何回もエラーになってやり直しているうちに、窓口に持っていくor郵便ポストに入れに行く時間は経ってしまいます・・・。

今後はe-Govの代わりとして使える便利なクラウドサービスが主流になっていき、e-Govの存在はあまり認識しなくてよくなると思います。そうなれば、本当の意味で『電子申請で業務効率化』と言えるようになるでしょう。