従業員数が10人以上の企業経営者(経営トップ)を対象にした産業能率大学の調査によると、「社長が選ぶ今年注目の会社2015」の1位に選ばれたのはトヨタ自動車でした。好調な業績に加え、世界に先駆けて販売が開始された燃料電池車などの新製品に期待する声が多くあげられた、とのことです。確かに、最近のニュースでも燃料電池車の関連特許を無償で競合他社に開放(提供)することを発表するなど、注目を集めていますね。
そのトヨタ自動車の豊田章夫社長が2015年1月6日に行われた経済団体主催のパーティーにおいて、NHKの取材に答えていた内容が印象的でした。「今年、日本経済が成長するためのカギは何か?」という記者の質問に対して、豊田社長は『人材』というキーワードを挙げていました。「本当に限られた資源のなかでいちばんの資源は人材だと思う。希望を持った人材を作ることこそ、明るい未来を作ることだと思う。」とのことです。
燃料電池車を世界に先駆けて市販する世界最強の自動車メーカーですら、成長のカギは先端技術でもマーケティングでもなく「人材」であると認識しているということですね。
企業は様々な有形、無形の経営資源を有していますが、それらを生み出す「人」こそが競争力の源泉となる究極的な経営資源である、ということになるでしょうか。