国が副業・兼業を許可する、という報道がされています。報道をそのまま鵜呑みにすると、「今までは副業・兼業は禁止されていたけど、今後は国が許可してくれるんだ!」と思ってしまいます。

しかし、この認識は正しくありません。副業や兼業をしてはいけない、という法律などありませんので、これまでも禁止されていたわけではないのです。では何が話題になっているのでしょう。

厚生労働省が作成し公表しているデル就業規則というものがあります。多くの企業が自社の就業規則作成の参考にしている(と思われる)ものですが、厚生労働省は今後、モデル就業規則に規定されている副業・兼業の扱いを原則禁止から原則容認に変える予定です。このことが副業・兼業を国が容認、という捉え方をされて大きく報道されているのです。

参考までに、現在の最新のモデル就業規則は平成28年3月30日版です。モデル就業規則の第3章服務規律第11条として遵守事項という項目があり、労働者は「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という文言があります。

今後、上記の部分がどのように変更されるのか、とても興味深いです。また、単に容認する旨の文言変更だけでは運用は成り立ちませんので、他にどんなアップデートがされるのか、が重要です。